私 池田響子は､平成11年に聖マリアンナ医科大学医学部を卒業､大学附属病院で2年間の初期研修を受けた後､循環器内科を専門に､主に不整脈､心筋梗塞､狭心症､大動脈疾患､心不全等の治療に携わってきました｡ 救命救急センターにも2年間勤務するなど､私の主な医療経験は救急医療に関わるものでした。 しかし父の膵臓癌の告知を受けたのを機に､15年ぶりに関東より福山市へ戻ってまいりました｡ 父の闘病生活は2年にわたりましたが､その間自宅での療養を希望し､私はそれまでとは全く異る癌患者の在宅医療に携わるようになったのです。それを機に､末期患者､在宅医療について多くのことを考え学びました｡ また､患者の家族という立場で､いろいろな事を経験しました｡それまでも患者様やご家族様の立場で考えるよう務めてきましたが､父の闘病生活を通じて､患者様が日々どれほど不安を抱えながら治療を受けられているのか痛感いたしました｡ 医療以外の事も多く学んだ2年間でした。それと同時に､2年間の福山市の勤務で感じたことは､医師の不足です｡それを補うためにはフットワークの軽い開業医が､入院施設のある医療機関と連携し往診や在宅医療に尽力していく事が必要と考えます｡ また病気を治療するだけでなく､未然に病気を防ぐよう尽力することも､ファミリードクターとしての開業医の大切な役割ではないでしょうか。これらの個人的な経験や地域医療への思いを活かしながら､ひとりでも多くのかたに､心の痛みや不安を理解し心とからだをケアしていける医療､女医だからこそできる医療を提供できればと考えています。